◆ 連載第6回 ◆

(前回までのあらすじ)
 ブラジル、アマゾンの果て、ウアウぺス川にて、幻のアピスト、エリザベサエを採集。帰る途中にもロートカイルの採集に成功した私こと”まる”と採集隊は無事サンガブリエルに帰るのであった。

 

 

 ロートカイルの採集もそこそこに、我々は帰ることになり、ネグロ川を猛スピードで下る。そして、1時間半ぐらいで、出発時の港に着くことができた。
 上陸して、すぐに皆さんホテルに帰る。戦果(?)を早く整理したいのだ。僕も自分の部屋に魚を持って帰る。ホテルはツインで、僕とこの旅ずっと、元アマゾン留学生のHさんと同室であったのだが、Hさんは釣り専門の方で、この旅も釣り組に属していて、この日も釣りの方へ行っていたため、僕がこの日唯一まともに採れたロートカイル数匹を差し上げることにした。
 僕の場合は、それほど戦果があったわけではないので、整理もすぐ済み、暇だからK君、コリドラスでおなじみのHNさんの部屋にお邪魔する。入るといきなり洗濯物の山が所狭しと広げられていた。干されたパンツを避けながら、彼らの元に行くと、大量の魚を熱心に袋づめしている最中であり、忙しそうで 、あまり邪魔も出来ないようなので、そこそこに切り上げる。
 でも彼らは本当にいい人達だ。一時間後ぐらいに、僕がサエを一匹しか採れていないことを気にかけてくれたのか、二ひきのサエを僕にプレゼントしてくれたのだ!!!ありがとうございますー!!一生ついていきますぅ。K君は年下。HNさんは多分同い年なのに・・・)
 とは言え、気になるのは採れたサエと思われるアピストは本当にサエなのか? また、成魚サイズより小さいアピストはライアーテールであるのはなぜか?別種なのだろうか?この疑問はツアー参加者の夕食の話題になったのは言うまでもないであろう。
 まず、これがサエであるかどうかは、全員一致でサエと認めた。写真でしか見たことのない魚であるが、成魚はまさにその魚であったからだ。同時に採れた幼魚が成長すると、このような成魚になると仮定すると、その様子やラテラルスポット等からこれまで知られていたアガシジィグループでは無く、ペルテンシスグループに含まれるであろうことが明らかになった。
 問題は、亜成魚のライアーテールである。体の模様(様子?)や、顔付き、ヒレの色などは成魚と同じであるのだが、尾ビレの形が違う。荻窪のAS店長YSさん、銀座MG店長S師匠の結論として、サエの雄の成長の仕方は、幼魚のラウンドテールから、尾ビレの上下が伸びてライアーテールになり、さらに成長すると、真ん中が伸びてきてアガシジィに似た魚と称された、真ん中伸びの尾ビレに成るとの仮説を立てた。両氏とも、Aqua Logのサエの雄の写真の内、何点かに良く見るとなんとなく尾ビレの先が二股に分れている個体を見て取れるのが決め手となったと仰っていた。
 この仮説は、帰国して幼魚を成魚に育てる過程で、その通りになったことから、証明された。
 結論が出たところで改めて乾杯!普段美味しいとも思わないビールがこの日は美味しく感じられた。ただ、サエ自体の採集は満足いくほどではなかったので、同じように思っていたYSさんと、「明日もサエ採集にしてもらおうか?」などと話しをしたりした。こうして長いようでアッという間のサエ採集の一日は終わった。
 結局、ウアウぺス川はこの日の2時間弱程度しかいなかったのだが、去年、ウアウぺス川はインディオ保護区になってしまって、2度と入れなくなってしまった。もう一度あの地を訪れたいと思っている今の僕にとってはショックなことである。
 以上が僕が体験したサエ初採集の一部始終である。このような貴重な体験をさせてくれた、アグアプロダクションと、素人の僕のいろいろなご迷惑を寛容に見てくれ、またいろいろご指導を賜わったツアーメンバーの皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
 これにて最終回ですが、次の連載、”ミウア編”をお楽しみに。

 

 

 
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