◆ 連載第3回 ◆

(前回までのあらすじ)
 様々な命の危険?を乗り越え、私こと”まる”一行は、ネグロ川支流ウアウぺス川に降り立ったのだった。(なんか前回と似てるな。)

 

 

 ネグロ川からウアウぺス川に入った途端、まず、ネグロ川特有の黒褐色がかった透明な水の黒さが、明らかにさらに黒くなったことに気付き、この黒いヤツからさらに黒くなることがあるのかと驚いた。
 そんなことを感じているまでもなく、タイムリミットが近づいてくる。出発が遅すぎたため、日没ノーゲームになる前に片付けなければならないのだ。
 幸い、ウアウぺス合流点付近は、アピストポイントが多そうなので、片っ端からいけそうだ。アピストポイントとは、船が着岸できるような浅瀬で、落ち葉がたくさん堆積しているようなところや、単純にちょっとした水溜まりのように独立したところなどであるが、その中でもアストがいる、いない、を見抜くのは大変で、ガイドのYさんの目だけが頼りだ。
 一行はまず、第一のポイントに寄った。ここでちょっとやって成果がないようならすぐに次のポイントに切り替えるつもりだ。着岸と同時に、みんなアピスト網を片手に飛び出して行く。
 今まで全然採集に加わらなかった、某西荻窪の店の店主、YSさん(当時四十才)も飛ぶ!飛ぶ!!びっくりしていた僕は出遅れて、もうアピスト網は残ってなかった・・・。
 ここでアピスト網の解説をしよう!
 アピスト網とは、縦50センチ、横30センチぐらいの金属の枠にたるみのないように緑色の丈夫な網を貼っただけのものであるが、これが、落ち葉の堆積したところに差し込んで掬って攻めるのに向いているのだ。ただし、これで何回も採集するのは腰がつかれるので注意注意!!
 仕方ないので、普通の四角い網の両サイドを持って落ち葉ごと掬う!!網のかさがある分、たくさん落ち葉が入ってやりずれー!!!
 他の面々も苦戦しているようで、誰もアピストを採ったという声が聞こえない。僕はちょっと離れたポイントに場所変えすることにした。沈水林の影から少し漏れる、日光が差している落ち葉ポイントが横にあり、まだ誰も採集していなかったので、そこに水側から回り込む。これはどうゆうことかというと、陸側から回り込むと、(もしいたら)足音でアピストが川の方へ逃げてしまわないようにと配慮したのである。
 そうしてまず一発目、2.5cmほどの2匹アピストらしき物が網に入った。(正確にはような気がしただけだが。)とりあえずすぐ見つかった一匹を箱に収容し、もう一匹を探すが、見つからない。気のせいかと思って、残った落ち葉を捨てるとき、アピストが逃げていくのが見えた。これが後に本当にもったいないと思うのだが、そのときは次以降どんどん取ればイイや、と思ってどんどんやる。
 ・・・・が取れない。そんなことやっている内に全然取れないので場所移動することになり、後ろ髪引かれながら乗船する。
 僕以外、アピストを取った人はいないらしく、僕がアピストを採ったと聞くと、前述のYSさんや、某銀座の店の店長で僕のアピストの師匠Sさんが見せてくれというので、僕としても専門家の話を聞きたかったので、よく見えるプラケースに移して見てもらうことにした。
 小さいうちの太い縦線にやや太めの横線が数本。独特の警戒ラインは今でこそ一発でサエだ!とわかるが、この時は未知のアピスト。このお二人をして、「何だろうね。」「こんなアピスト見たことないね。」と言わしめる。
 この個体が、後に日本に持ち帰って育てたところ、完璧なエリザベサエになったのを確認し、日本人がはじめて採集したサエであることが実証された。(僕ははっきり覚えているが、まわりの方々は覚えているだろうか?)
 この個体の正体は何か?もっと取れないのか?一行の心は次のポイントへと向いていた。僕はというと、一行の中で誰よりも燃えていて、着岸したらすぐにでも飛び出せるようにと船のヘリで身構えていた。この後に待ち受ける運命も知らずに・・・。・・・つづく・・・よね?

 

 

 
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